外因性半導体

真性半導体とは不純物の少ない半導体のことを言います。
具体的には、「不純物の数が熱的に励起された電子や正孔の数より少ない半導体」を指します。

熱平衡状態での話です。
エネルギーEvより低いところに価電子帯という領域があり、エネルギーEcより高いところに伝導帯という領域があります。
これらの間のことをバンドギャップと呼び、Egで表します。

ある温度においては、価電子帯の電子が、エネルギーの高い伝導帯に移動します。
電子が移動した後には正孔が残ります。
つまり、価電子帯に正孔が、伝導帯に電子が現れます。

この移動した電子の量と不純物の量を比べて、不純物の方が少なければ真性半導体と分かります。
逆に不純物の方が多いとき、外因性半導体と呼びます。

温度が高いほど、多くの電子が移動、つまり励起します。
常温で不純物の方が励起された電子より多い半導体、つまり外因性半導体を考えます。
温度を上げて行くと電子が励起され、ある温度を超えると、励起された電子の方が不純物より多くなります。
つまり、温度を上げると真性半導体に変化します。

その変化を表したのが、以下の図です。

不純物をドープしたSi結晶を考えます。
Si結晶にAs原子が入り込んだ図と、B原子が入り込んだ図です。

As原子はSi原子より価電子が一つ多いので、伝導電子が生じます。
伝導電子、つまりマイナスの電荷が生じるので、この半導体はネガティブな半導体になります。
ネガティブな半導体なので、n形半導体と呼びます。
また、このAs原子をドナーと呼びます。

B原子をドープした時は、As原子と逆のことが起きます。

B原子はSi原子より価電子が一つ少ないので、正孔が生じます。
正孔、つまりプラスの電荷が生じるので、この半導体はポジティブな半導体になります。
ポジティブな半導体なので、p形半導体と呼びます。
また、このB原子をアクセプタと呼びます。

2ヶ月前くらいに、p形とn形がpositiveとnegativeだって知った時の衝撃を思い出しました。
高校の時から散々p形だn形だと聞いていたけど、誰もpositiveとnegativeって言ってくれなかったんだもの。

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