偏微分方程式

今、偏微分方程式がアツイ!
・・・自分の中で。

でも、敷居が高いと感じる人も多いと思います。
そこで、まずは概要を述べてみようと思います。

偏微分方程式とは、その名の通り、偏微分を含む方程式です。
そこで、まずは「偏微分」を大まかに分類してみます。

まず、「時間」の微分と、「位置」の微分があります。

次に、「1階」の微分と、「2階」の微分があります。

本来は、あらゆる変数に対する、あらゆる階数の微分を考えることができますが、これ以外の微分というのは滅多に登場しません。
世界はシンプルにできているのです。

すると、登場する偏微分方程式というのは、何種類かに絞られます。
係数の類は省略。

(1)移流方程式

時間の1階微分と、位置の1階微分を含む方程式。

(2)拡散方程式

時間の1階微分と、位置の2階微分を含む方程式。

(3)波動方程式

時間の2階微分と、位置の2階微分を含む方程式。

(4)移流拡散方程式

時間の1階微分に、位置の1階微分と2階微分を含む方程式。

(5)ラプラス方程式

位置の2階微分を含む方程式。
2次元空間だと偏微分方程式になる。

(6)ヘルムホルツ方程式

位置の2階微分に、微分されていない項を含む方程式。

ここに定数項が加わる場合もありますが、その場合もたいてい名前は変わりません。
ラプラス方程式に関しては、定数項が加わるとポアソン方程式という名前になります。

偏微分方程式が馴染みにくい原因の一つは、分野によって名前が変わることだと思います。
各分野の方程式の実態が何であるかを「大雑把に」。

熱力学の「熱伝導方程式」は、拡散方程式。
流体力学の「ナビエ・ストークス方程式」は、移流拡散方程式。
量子力学の「シュレディンガー方程式」は、波動方程式。
金融工学の「ブラック・ショールズ方程式」は、拡散方程式。
電磁気学の「マクスウェル方程式」は、移流方程式。
伝送線路の「電信方程式」は、波動方程式。
確率過程の「フォッカー・プランク方程式」は、移流拡散方程式。

これらの方程式は実際には非線形な成分が含まれたり、見方によっては微分の階数が変わったりします。
そういうわけで、「これはこれ」と言いきってしまうのは危険ですが、ざっと「こんなもんか」と思えば、怖くないって話です。
逆に、それぞれの複雑な方程式は、たいてい上記のいくつかの方程式に帰着させる形で解かれます。

「偏微分方程式」と名の付く本を読めば、だいたい上の数本の方程式の解き方を学ぶことができます。
これが解けるようにさえなれば、あとは各分野の方程式に応用するのは難しくない・・・はず。

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