抵抗器のモデリング

カメラが修理から返ってきたと思ったら、パソコンがいかれました。
更新が滞っているのは、そのため。

さて、研究用にCOMSOLというソフトを与えられたので、遊んでみました。
偏微分方程式で記述できる物理系の数値解を求めてくれるソフトです。

とりあえず、簡単なところで抵抗器を取り上げてみます。
これは、1kΩの抵抗器です。
久々の写真。

これをイメージして、このような形状をコンピュータ上に描きます。
横から出ている棒はアルミニウムを想定して、高い導電率を指定します。
本体の部分は、この抵抗が1kΩになるように導電率を指定。

抵抗値が長さに比例し断面積に反比例するというところから逆算するだけです。

これに10Vの電圧を印加してみます。
その定常状態での電位を色分けしてあらわしています。
解いている偏微分方程式は、マクスウェル方程式です。

アルミの部分は導電率が高いので、ほぼ等電位で同じ色。
本体に入った途端に、じわっと電圧が変化しているのが分かります。

こちらは、電流の流れ。
入り口で広がって、本体を流れ、出口でまとまって出ていきます。

この電流密度を出口で積分すると、流れる電流が求められます。
すると、4.282mAでした。
印加した電圧は、10Vだったので、この抵抗器は約2.3kΩになります。

1kΩの抵抗になるように設計したのに、ずいぶん大きくなってしまいました。
これは、入り口が狭くなっているためです。

試しに全体に電圧が印加されるとしてみます。
入り口につけた細いアルミニウムを取り除いただけ。
本体の形や導電率は同じです。

すると、電流は広がったりせずに一定方向で流れます。
そして、出口で電流を求めると、10mAになりました。
予定通りの1kΩの抵抗になったということです。

電流の流れる経路によって、ずいぶんと値が変わってしまうのだなあ。

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