人を動かすための6つの心理テクニック「影響力の武器」

久しぶりに本を読んだのですが、とても良かったのでブログを書きます。
この4ヶ月くらい、仕事の方が完全に戦闘モードで、週末も本を読む余裕もなく、読みかけで放置していた本です。

影響力の武器

この本をおすすめされました。
影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか
結構厚い本で読み切る自信がなかったので、実際に読んだのはコミック版。
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影響力の武器 コミック版
影響力の武器の要点は6つなんですが、要点はつかめたので、コミック版でも良いと思います。
それで、読んでみたらとても良かったので、こちらの実践編も読みました。こちらは普通に300ページくらいの本です。
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影響力の武器 実践編―「イエス!」を引き出す50の秘訣

実践編の方は50個の事例を紹介している本で、影響力の武器の要点を意識しながら読むと理解が深まる感じです。

影響力の武器とは?

影響力の武器は、人を説得したり、動かしたりする、心理的なテクニックです。

  • 返報性
  • 権威
  • コミットメントと一貫性
  • 希少性
  • 好意
  • 社会的証明

ビジネスの交渉の場面や、ユーザーに商品を届ける場面などで、実際に使えそうなテクニックです。

恩を受けると報いてしまう「返報性」の原理

「返報性」というのは、他人から恩恵を受けると、自然とそれに報いるような行為をとってしまうという原理です。
この本で紹介されている事例のひとつは、レストランで食事をしたあとにウェイターがキャンディをあげると、チップはどれだけ増えるかという実験です。

  • キャンディを1つずつ渡した場合: チップが3.3%増加
  • キャンディを2つずつ渡した場合: チップが14.1%増加
  • キャンディを1つ渡したあと、もう一度テーブルに戻って2つ目を渡した場合: チップが23%増加

この結果はつまり、キャンディを渡すと、それに報いないといけないという心理で、余分にチップを払ってしまうということです。
キャンディを2つもらうと、より報いなければならないという心理が働き、2つめを「特別にもう1つあげます」という雰囲気で渡すと、その効果は更に大きくなるということです。

一貫した行動を取ろうとする「コミットメントと一貫性」の原理

「一貫性」の原理というのは、自分が過去にとった行動と一貫した行動を取り続けようとする原理です。
この本で紹介されている事例は、有権者に次の選挙で投票に行くかを事前に回答してもらい、それが実際の投票率に影響を与えるかという実験です。

  • 事前に回答を求められた人: 投票率86.7%
  • 回答を求められなかった人: 投票率61.5%

ただ自分が投票にいくかというのを事前に問われただけで、なぜ実際の投票率が変わるのかという理由が、「一貫性」の原理です。
投票に行くかと問われると、多くの人は一種の見栄のようなもので「投票に行く」と答えます。そして、一度「投票に行く」と公言してしまうと、自分の発言に逆らうような行為をとりにくくなり、実際に投票に行くようになります。

おわりに

他の原理も含めて、確かにあるなあと思うような話であり、ささいな違いで人の行動が左右されるという事例がたくさん紹介されているので面白いです。

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