税金の法律は、完璧じゃない。けど、うまくできてる。

税法に興味を持って、この本を読みました。

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日本一やさしい税法と税金の教科書

税法に興味をもったキッカケ

最近、「税理士YouTuberチャンネル」というYouTubeチャンネルを見ていました。

これを見ていて、「同じことをしていても、税金の扱い方で結構変わるんだなあ」と思ったのがひとつ。もうひとつは、税金を逃れようと知恵を働かせる人がいるので、それを防ぐような仕組みが、すごく細かく考えられていて、「良くできてるなあ」と思ったからです。

以前に「簿記すげー」という話を書きましたが、会計的な話が好きなのかもしれないです。

決算書をもっと読めるようになりたいなら、簿記を勉強すると良いかも。

そういうわけで、税法の基礎的なことを少し学んでみることにしました。

税金がみたさなければならないこと

この本には、税金を考えるための「6つの視点」というのが紹介されているのですが、その中の3つが特におもしろいと思いました。

  • 公平であること
  • 税を負担する能力に見合ったものであること
  • 現実的に徴収できるものであること

同じ給料で同じような生活をしている人でも、一人は100万円の税金を納めていて、一人は1円も納めていない、なんてことがあったら不公平です。

収入が400万円なのに、1,000万円の税金を課せられるような仕組みでも、成立しません。負担する能力に見合っている必要があります。

そして、税金を徴収するために、年間100兆円の費用がかかる、みたいな仕組みでもダメです。現実的に徴収できなければ、意味がありません。

完璧じゃないけど、うまくできている

この3つはどれも大事ですが、完璧に成立させることはできません。

そもそも「公平であること」って、どういうことなのか、という疑問が浮かびます。全員が同じ金額を払うのが公平という考え方もあるでしょうが、そうすると、所得のない人も税金を納めなくてはならなくなり、「税を負担する能力に見合ったものであること」に反してしまいます。

申告の仕方によって、納める税金が多くなったり、少なくなったりします。これも不公平ですが、完全に同じにしようと思うと、税務署は申告内容を完璧にチェックしなければならず、その労力は膨大なので、「現実的に徴収できるものであること」に反してしまいます。

税金の仕組みは、完璧ではできないけど、絶妙なバランスを取りながら成り立ってます。

申告納税制度

よくよく知ってみると面白いなと思った仕組みについて紹介します。1つ目は、「申告納税制度」です。

何気なく確定申告などをしていたりしますが、税額を決定する仕組みには2種類あります。

  • 申告納税制度: 納税者が、自分で納める金額を決める
  • 賦課課税制度: 国や自治体が、納める金額を決めて、納税者に伝える

誰が税額を決めるか、という違いです。所得税などは、申告納税制度なので、確定申告で、自ら申告するわけです。

「国が勝手に税額を決めて請求してくれたら、確定申告しなくて楽なのに」とも思います。しかし、そうすると、税務署は、全国民の所得を調査して、税金を計算しないといけないので、莫大なコストがかかってしまいます。だから、納税者に計算させて申告させるわけですね。

一方で、賦課課税制度で納めている税金もあります。毎年5月くらいになると、住民税の通知が届きますが、それは「自治体が勝手に金額を決めているパターン」で賦課課税方式です。

源泉徴収

もう1つ面白い仕組みが「源泉徴収」です。

源泉徴収というと、毎月の給料から勝手に引かれているアレですね。

申告納税制度で、全国民が申告しなければならないとしたら、納税者も税務署も双方に、コストがかかります。そこで、会社に申告を代わりにやらせる制度です。

  • 会社員は、申告をしなくて済む
  • 税務署は、計算を企業にやらせることができるし、企業からまとめて税金を回収できる
  • 会社は、全社員分の税額を計算して納めないといけないので大変

会社だけが大変な仕組みになっていますが、義務化されているので、やらざるをえません。

終わりに

この本には結構細かい話も書かれていますが、それを読むと、「逃れようとしても、ちゃんと穴はふさがれている」というのを感じます。それもまた良くできていて面白いです。

一方で、ふるさと納税や退職金控除など、政治的な意図のある優遇措置というのもあって、そういうのは乗っておいたほうがトクというのはあるんだろうなと思いました。

申告納税制度なので、税額を決めるのは自分自身です。ちゃんと理解して納めたいなと思いました。

その他メモ

租税法律主義、税金の取り立ては法律に基づく。そうでない時代もあった。(p.16)
所得に対する課税、消費に対する課税、資産に対する課税がある (p.20)
超過累進税率、「○円〜○円の部分には税率○%」という形 (p.28)
累進課税は、労働抑止になってしまう。そのため、法人税は固定税率 (p.30)
行為計算否認というものがある。節税のためだけに取引をおこなったなどの場合、税務署が税金計算をやり直せることになっている。 (p.32)
最小コストで最大の徴収をする仕組みして、源泉徴収、青色申告がある (p.35)
人々の行動を変えるための税金として、ふるさと納税などがある (p.43)
会計は利益(収益−費用)、税務は所得(益金−損金)で考える (p.95)
会計の利益から、税務調整で加算、減算をして所得をだす (p.97)
配当は二重課税とならないために益金不算入、しかし保有割合が少ない場合は二重課税を完全には回避しない (p.101)
役員報酬、交際費、寄付金は利益操作を避けるために損金不算入となっている。飲食後のタクシー代も。 (p.102)
税法では実売価格ではなく時価で考える。関連会社に利益移転させるための取引などを防ぐ (p.119)
課税を先送りにしたほうが得なことがある。キャッシュフローの理由と、法人税率が下降傾向にあるため。 (p.125)
2016年度の法人税の納税率は35% (p.132)
世界で稼いだ金額から、外国で収めた分析を控除する (p.139)
日本に拠点がない場合は源泉徴収という形をとる (p.140)
租税条約で他の国と優遇しあう (p.141)
課税当局と独立企業間価格についてすり合わせをおこなえる制度 (p.147)
輸出業者で消費税が課されない場合、仕入れの消費税を還付される場合がある (p.165)
消費税はすべての売上を課税対象にしているわけではない (p.171)
リバースチャージ、海外のサービスを受けた事業者に申告義務を課す (p.177)
生命保険は遺産分割の対象にならないが、みなし相続財産として、相続税の対象 (p.202)
生前贈与で相続税が逃れられないように贈与税は高くなっている (p.208)
権利の上に眠るものは保護に値せず (p.228)
特定空家に指定されると、1/6や1/3の固定資産税の優遇がなくなる (p.232)
更生処分に納得できない場合は、国税不服審判所、最後の手段は税務訴訟 (p.239)

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