帰りにふらーっと寄った本屋で、おもしろそうだなーと思って買った本が、想像以上に面白かったので、久しぶりに本について書きます。
ビジネスマンの基礎知識としての損得計算入門
意思決定の道具
損得計算は、意思決定のための道具です。
「これをするべきかどうか」などの意思決定の手順が体系化されています。
この本に書いてある原則にのっとれば、確かに根拠をもって意思決定ができます。そして、直感と損得計算の結果は、意外に異なっていたりするのでバカにできません。
何と何を比較するのかハッキリさせる
まず1つ目の原則が、「何と何を比較するのかハッキリさせる」ということです。
ふわふわと「何かをするべきかどうか」を考えるのではありません。「これをした場合」と「これをしなかった場合」に分けて、それぞれに対して結果を比較します。
この本には、北海道に行くのに「電車で行く場合」と「飛行機で行く場合」を比較する例があります。このように何と何を比較しているのか、ちゃんと決めてから意思決定をする必要があります。
開始前と終了後の時点をハッキリさせる
次に、「開始前と終了後の時点をハッキリさせる」ことです。
比較対象のどちらかを選択した時点で、人生が分岐します。そして、その選択をした結果があらわれます。その選択の開始前の状態と、結果となる状態を明確に決める必要があります。
この時、開始前の状態が、ふたつの比較対象でズレていたらフェアではないので平等な条件で開始させる必要があります。終了後の状態も平等な条件にします。
「電車で行く場合」と「飛行機で行く場合」を比較するのに、開始時点が「東京から」と「大阪から」で比較していたらフェアではないですし、北海道の到着が「朝に着いた場合」と「夜に着いた場合」を比較していてもフェアではありません。
利益を比較する
最後にふたつの選択で得られる利益を比較し、より有利な方を選択します。
比較するのは必ずしもお金とは限らないですが、「この意思決定をする目的」を正しく表すような指標にする必要があります。
この原則がこの本に書かれている大部分で、その他は例題のような感じなのですが、例題を見ながら損得計算を実際に考えてみるとどんどん理解が深まっていきます。そういうわけで、ビジネスマンの基礎知識としての損得計算入門、おもしろいのでおすすめです!