すごい会社は、「会社」がすごい。

ビジョナリー・カンパニーを読みました。

すごい会社というのは、「経営者」がすごいのではなく、「会社」がすごい。自分自信を「すばらしい経営者」にするのではなく、会社を「すばらしい会社」にするように考えていかなければと思いました。

ビジョナリー・カンパニー

この本は、すばらしい企業の中でも、特にピカピカのすばらしい企業が、どのように地位を築いたのかを解き明かした本です。

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ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則

「ビジョナリー・カンパニー」というのは、長く続いているだけでなく、業界で卓越した地位を築いていて、尊敬をされていて、永続性があるような、本当に一握りの特別すばらしい企業のことを指しています。

このようなビジョナリー・カンパニー18社と、「比較対象企業」と呼ばれる、似たような業界の、似たような時期に創業した、同じくすばらしい企業18社を比較しています。

「すばらしい企業」と「特別すばらしい企業」を比較して、その差を生み出すものはなんなのか、というのを調査しています。

20年経っても原則は変わらない

この本は20年以上前に出版されたもので、紹介されている企業の状況はかなり変化しています。

たとえば、ビジョナリー・カンパニーの中には、今はもう「そんなにすばらしいとは言えないかも・・・」という状態になっているものがあります。比較対称企業の中には、買収や分割をされて名前が消滅している会社もあります。

でも、この本に書かれていることが誤りだったかというとそうではなく、20年経っても原則は変わらないような気がしました。

すごい会社は、「会社」がすごい

すごい会社というのは、すごい経営者がいて、すごいアイデアをもっていて・・・と考えてしまうんですが、この本ではそういうのは神話として否定しています。

考えてみれば、人は死にますし、アイデアは古くなります。だから、ビジョナリー・カンパニーは、そういう1人の経営者や、1つのアイデアで成り立つものではありません。

「時を告げるのではなく、時計をつくる」という表現をしていますが、優れた経営者が自ら時を告げてまわっているような会社は、その経営者がいなくなった途端に破滅します。そうではなく、自分がいなくなっても回り続ける「時計をつくる」というのが重要ということです。

ビジョナリー・カンパニーのひとつとされているウォルマートについてこのような記載があります。

ウォルトンは、自分が2000年まで生きられないと知りながら、1992年に亡くなる直前に、2000年までの大胆な目標を定め、自分がいても、いなくても、会社はこの目標を達成できるとの強い自信をもっていた。(p.62)

自分がいなくなっても成長し永続し続ける。経営者がすごいわけでもなければ、アイデアがすごいわけでもなく、会社自体がすごい。これがまさに理想形ということです。

基本理念 + 進歩への意欲

そんなすごい会社はどのようにして作られているかというと、2つの重要な要素があります。「基本理念」と「進歩への意欲」です。

基本理念は、会社にとっての主義だったり、存在する目的で、絶対に変わらないものです。進歩への意欲というのは、会社が成長し生き延びていくためには、基本理念以外のすべてを変えていく覚悟が必要であるということです。

この本の後半は、この「基本理念」と「進歩への意欲」のための仕組みを具体的に紹介するような内容になっています。

  • 5章 社運をかけた大胆な目標 → 「進歩への意欲」を促す仕組み
  • 6章 カルトのような文化 → 「基本理念」を浸透させる仕組み
  • 7章 大量のものを試して、うまくいたものを残す → 「進歩への意欲」を促す仕組み
  • 8章 生え抜きの経営陣 → 「基本理念」を維持し続ける仕組み

ビジョナリー・カンパニーが、創業者がいなくなっても成長しつづけ存続しつづけるのは、このような基本理念が維持される仕組みがあって、それ以外のすべてを進歩させつづけるような仕組みがあるから、ということです。

おわりに

この本は、かなり前から、色んな人から薦められていたんですが、ずっと読んでいなかった本です。

「分厚い上に4冊もある」というのが理由のひとつですが、しばらくは「会社」をどうするかということより、「事業」を成功させることの方に興味があったからです。

実際に2年くらい前に読んでもなんとも思わなかったかもしれないなあ、というところもあるので、会社がそれなりの規模になってきたこのタイミングで読めたのは良かったかもしれません。

万人にぜひ読んでほしいという感じではないですが、良い本です。続きも読みます。

メモ

  • ビジョナリー・カンパニーは、「ORの抑圧」をはねのけ「ANDの才能」を活かす(一見トレードオフにありそうな2つのことを同時に追求する)
  • 正しい理念というのはなく、どれだけ理念が一貫しているかの方が重要
  • 選択の際の正しい問いの立て方は、「これは良い方法なのか」ではなく、「これは当社の基本理念にあっているのか」
  • 3Mは売上の25%を過去5年間の新製品で埋めるようにすることで進歩を促した
  • モトローラは売上比率の高い成熟した製品からあえて撤退して技術革新を促した
  • ビジョナリー・カンパニーは、経営者を社外から招聘することもないし、新入社員を幹部からはじめることもしない(基本理念の浸透したメンバーだけを幹部にする)

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