Web開発の受発注契約で必ず抑えておくべきポイント

この1年で会社の規模も大きくなって、とても頻繁に受発注のやりとりをしているので、契約まわりについてより深く学ぼうと思いました。

読んだ本

この本を読みました。

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Web業界 受注契約の教科書 Textbook for Business Contracts in the Web Industry

付録として、契約書のテンプレートがCDでついています。久しぶりにCD付きの本を手にしました。

理解すべきこと

理解すべきことは、2つかなと思いました。

  • そもそも発注者に有利な契約と受注者に有利な契約があることを認識する
  • 契約の項目別に何が有利で何が不利かを理解する

少し詳しく書きます。

発注者に有利な契約と受注者に有利な契約がある

何事もなく無事に案件が終われば契約書が登場する機会は多くないと思います。契約書が登場するのはトラブルが発生したときです。そういう場合に契約書が、自社の味方となってくれるか、それとも自社を苦しめることになるかは、契約の内容次第となります。

そもそも契約は、発注者に有利なものと、受注者に有利なものがあることを認識する必要があります。

契約書は似たような体裁でたくさんの項目が書かれているので、どれも同じに見えてしまいますが、当然同じではありません。同じではなくて、契約書には有利・不利があります。

スライド1

だから、たくさん書いてあって読むのが大変だからといって、契約書をちゃんと確認するのを放棄すると、自社に不利な条件になっていてトラブルになった時に苦しむことになります。

自社に不利にならないように交渉が不可欠

取引先に契約書の雛形を作ってもらった場合は、作った会社にとって有利な条件、つまり自社にとっては不利な状態で提示される場合がほとんどだと思います。

スライド2

だから、ちゃんとひとつひとつ交渉して、自社に不利にならないようにする必要があります。

発注者と受注者の力関係で、なかなか受注者側から交渉するのは難しい部分もありますが、可能な限り不利にならないようにもっていく必要があります。

何が有利で何が不利なのか

そういうわけで、契約書には有利・不利があることは分かりました。

でも、具体的にはどういう項目を確認すべきで、どういう条件が不利なのかという疑問が残ります。

そこで簡単にポイントになりそうな部分だけまとめておきます。

仕様・業務内容

仕様の不明確さは受注側のリスクになるので、受注者としてはできるだけ明確にする必要があります。逆に発注者としてはできるだけ業務範囲を広く定義します。

下記は、受注者としてリスクを下げるために、業務内容を明確にする方法です。

  • 何をやるかを具体的に列挙する
  • 反対に何をやらないかについても列挙する
  • まだ決まっていないことは決まっていないと明示する

検査・瑕疵

受注者としては検査は簡単に通過できるようにし、できるだけ修正責任を負わないようにする必要があります。逆に発注者としては、検査の権限を最大限に広げて、この発注の範囲内で修正も行ってもらえる方が有利です。

下記は、受注者としてリスクを下げるために、検査を通過しやすくする方法です。

  • 瑕疵を「仕様との不一致」と定義して範囲を絞る
  • 検査の方法は、受注者側で定義する
  • 検査期間を、納入後の短い期間にする
  • 具体的で合理的な理由なく不合格とできないようにする
  • 自動的に合格にできるように、合格みなし規定をいれる
  • 修正期間を、発注者側に決められないようにする
  • 修正内容は、瑕疵の修正のみとして範囲を絞る

著作権

受注者としてはできるだけ著作権を移転しないようにし、発注者としてはできるだけ著作権を移転できる方が有利です。

受注者としては、できるだけ遅いタイミングで、必要最小限の著作権だけを移転するようにします。

  • 著作権の移転は、代金の支払い後におこなう
  • 使いまわせるコンテンツや汎用なものの著作権は移転しない
  • 翻案権(27条、28条の権利)を移転しない。

他にも、代金の支払いについてや契約解除の場合についてなど、気をつけるポイントがあります。

本には実際の事例も交えながら書かれていて、とても分かりやすいので、詳しくはこちらをぜひ読んでみてください。

Web業界 受注契約の教科書 Textbook for Business Contracts in the Web Industry

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