厳密には無関係ということはないのですが、僕は直接的に広告に関連のある事業をやっているわけではありません。しかし、最近アドテクの世界が面白くて、基本的なことから勉強しています。
インターネット広告はテクノロジーのかたまり
インターネットはテクノロジーの世界です。そして、この世界でとても大きなお金を生んでいるのが広告です。
今をときめくGoogleもFacebookも広告で収益を上げている企業です。日本でも同様にインターネット広告の市場規模はとても巨大で、1兆円程度とのことです。
必然的に、広告という世界には、インターネットの業界のテクノロジーが結集します。だから、技術的にも、とてもおもしろいです。
広告はどこからやってくるのか?
広告とは、これのことですよね。
そもそもは、これがどうして表示されるのか、というを調べていました。調べてみると、裏側にはとんでもない世界が広がっていました。
純広告とは?
純広告というのは、媒体が、広告主と直接契約をして掲載する広告のことです。
媒体というのは広告を掲載できる場所をもっている人で、広告主というのはそこに広告を出したい人です。
構造はとてもシンプルです。
BASEに「かってぃのブログの右上らへんに広告」というページを作って、僕のブログの枠を7,000円で販売してみたのですが、これが純広告ですよね。ちなみにこの広告枠は売れていません。
アドサーバとは?
純広告というのは、そこに単に広告を貼るというものなので、広告素材を動的に変更したりすることができません。また詳細なレポートを発行することができません。
そこで、登場するのがアドサーバです。
媒体を運営している人がアドサーバを設置することで、広告枠をプログラムでコントールすることができるようになります。そのために、直接広告を貼るのではなく、タグを設置することになります。
これよって、たとえば複数の広告をローテーションで出したり、表示回数やクリック回数を計測して詳細なレポートを発行したりできるようになります。
アドネットワークとは?
このブログもそうですが、世の中の大半のWEBサイトは、広告主と直接契約して広告を掲載したり、アドサーバを構築するほどの規模ではありません。
そこで、こういう比較的小規模なサイトをまとめて、巨大な広告枠在庫を作り出す事業者が現れます。これがアドネットワークです。
このブログの広告枠は、Google Adsenseで、これもアドネットワークです。
アドエクスチェンジとは?
アドネットワーク事業者が増えてくると、お互いに広告の在庫が余ったり不足したりします。
そこで、アドネットワーク同士で広告在庫を融通しあうために、アドエクスチェンジという仲介者が出現します。
このあたりは、媒体も広告主も、あまり意識するところではないかもしれません。
SSPとは?
更にアドネットワーク事業者が増えることの結果として、媒体には「どのアドネットワークを選択するか?」いう問題が生じます。アドネットワークによって扱っている広告が違うので、この選択は売上を左右します。
これを解決するのがSSPという存在です。SSPは、Supply Side Platformの略です。広告枠を供給する側のプラットフォームということですね。
SSPは、複数のアドネットワークを統合して、最も売上の上がる広告を選択して掲載する機構を提供します。この機能は、アドネットワーク自体が提供していることもあります。
DSPとは?
反対に広告主の側から見ると、アドネットワークごとに扱っている媒体が違うので、どのアドネットワークを選択するかで広告の効果が変わってしまいます。
そこで、当然の流れというか、広告主側にも、同様の機構が構築されます。
これがDSPです。Demand Side Platformの略で、広告枠を提供してもらう側のプラットフォームということです。
RTBとは?
DSP、SSPの事業者が増えてきて、広告主と、媒体がそれぞれに統合された状態になりました。
ここで登場するのが、RTB。Real Time Biddingという機構です。
リアルタイムビディングというのは、リアルタイムで広告枠をオークション形式で売買する機構です。
広告というのは、ユーザーがWEBサイトを訪れて始めて表示されます。リアルタイムビディングでは、ユーザーがWEBサイトを訪れた瞬間に、広告主に対して「このユーザーへの広告枠を買いますか?」と発信をして、広告主が一斉に入札をします。そして、落札した広告主の広告が掲載されます。
このブログのこのページを開いた瞬間に、多くの広告主が、自分への広告枠を巡って入札をおこなっている、と想像してみると凄い世界です。
DMPとは?
リアルタイムビディングで広告を掲載するには、入札額を決めなければなりません。入札額は、広告主が売上に繋がりそうだと判断すれば高く設定できます。
そのために、膨大なデータを解析し、その結果を元に入札額を決定します。このためのデータ基盤がDMPです。DMPは、Data Management Platformの略です。
ちなみに、ぼくがこのブログを開いた時に、「あなたのタイヤいきなりBAN!」の広告が出てきたのは、以前にこの広告主のサイトを訪れたことがあるからだと思います。
【放送事故】リアルに・・・いきなりBAN
このデータがDMPによって管理されているのか、リターゲティングタグなどのもっと単純な方法によるのか、は調べていません。しかし、このようにデータを利用してユーザーへの広告配信を最適化しているようです。
データエクスチェンジとは?
もうパターン化していますが、広告配信のテクノロジーの中で、事業者が増えると、それを統合する事業者が現れます。
DMPも同様に、DMP同士を統合する人が現れます。これがデータエクスチェンジです。
広告主が自身で蓄えられる情報には限界がありますが、他のDMPと連携することで膨大なデータをもって、より最適な広告配信がおこなえるようになります。
おわりに
本当にテクノロジーのかたまりみたいで、勉強しながらワクワクしました!
歴史的な経緯もあってかなりカオスな構図になっていますが、RTBの登場は革命的で、驚きます。
突然アドテクに興味をもって、アドテク関連の事業をやっている人におすすめの書籍を聞いて読みました。最後に読んだ本を紹介しておきます。
全体像をつかむのに読んだ本が、次の本です。
DSP/RTBオーディエンスターゲティング入門 ビッグデータ時代に実現する「枠」から「人」への広告革命 (Next Publishing)
特に、DMPについて詳しく知りたかったので、次の本も読みました。
顧客を知るためのデータマネジメントプラットフォーム DMP入門
アドテク関連では、上場を控えてる企業もたくさんあって、ますます盛り上がりそうです。楽しみです。
コメント
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