増幅回路の残りのトランジスタについて解説していきます。
これは、PNPトランジスタで構成されたエミッタフォロワです。
前に解説したエミッタフォロワの上下を逆にするだけ。
簡単です。
今度は4つのトランジスタを全部含めます。
ですが、ここでは左の二つはトランジスタでなく、ダイオードだと思ってください。
そういう意味で、トランジスタの半分にしか色をつけていません。
例によって赤色部分を取り出します。
「この構成の利点って何?」っていう話を簡単にします。
というか、エミッタフォロワだけじゃなんでダメなのかという話。
慣習として、正の電源は上に、負の電源は下に書きます。
だから、電流は上から下に流れます。
すると、赤色の線のように、正の電源から出力に電流を吐き出して。
青色の線のように、出力から負の電源に電流を吸い込みます。
でも、エミッタフォロワは正の電源の方にしかついていません。
そんなわけで、負の電源への「吸い込み」が弱いのです。
だから、波形の下の方が潰れてしまったりするのです。
だから、上下にエミッタフォロワを付ける必要があります。
これで、「吐き出し」も「吸い込み」もしっかりできるエミッタフォロワになります。
これがプッシュプルエミッタフォロワです。
でも、これでも問題が出てきます。
何かといえば、2つのトランジスタが同時にオフになりうるのです。
これがまた波形を歪ませてしまいます。
スイッチング歪みとか、クロスオーバー歪みとか言います。
この原因はトランジスタのベースエミッタ間電圧です。
この解決策として、ダイオードを挟むことでこの電圧差を相殺します。
これが、今回の回路の完成形です。
もう一度載せます。
つまり、エミッタフォロワのダメな所を改善していったら、こんな複雑になってしまったのでした。
コメント