ランチェスター戦略に学ぶ、弱小ベンチャーの勝ち方の論理

先週ブログで紹介した「戦略の教室」という本の中で、一番気になったのが「ランチェスターの法則」です。
有名な戦略を一気に知りたい人におすすめの「戦略の教室」
そこで、ランチェスターの法則の部分だけ、少し詳しく知るために別の本を読みました。

ランチェスターの法則

読んだ本はこちら。半分マンガで、半分説明みたいな本です。
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ランチェスター戦略
ランチェスターの法則自体は、第一次世界大戦のころに作られたもので、「兵力の差」から「与えられる損害」を導き出すものです。

1分でランチェスターの法則を説明

たとえば敵の兵力が5,000人で、味方の兵力が3,000人の場合を考えてみます。
まずシンプルに、兵力が弱い味方は、壊滅して負けます。
スライド1
これだけだとシンプルすぎるので、もう一歩踏み込んでみます。
どちらかが壊滅するまで戦争をすると、負けた方の兵力はゼロになりますが、勝った方も兵力を失います。ランチェスターの法則では、お互いの損害の大きさを法則化していて、2つの法則から構成されています。

接近戦で用いる第1法則

1つ目の法則は、接近戦の場合です。
全員が個別に「1対1」で対決をするような状況です。
単純に1対1で対峙するので、個人に力の差がなければ、お互いに同じだけの損害を受けることになります。
スライド2
この場合、敵も味方も3,000人の兵士を失います。だから、味方は壊滅し、敵は2,000人の兵力を残して勝ちます。

遠隔戦で用いる第2法則

2つ目の法則が、遠隔戦の場合です。
全員が一気に衝突し「5,000対3,000」となるような場合です。
この場合、味方は5,000人からの攻撃を3,000人で受けなければならないので、1対1で個別に戦うよりも大きな打撃を受けます。逆に、敵は3,000人からの攻撃を5,000人で受けるので、1対1で個別に戦うよりも打撃が少なくなります。
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この場合は兵力の差が2乗で効く状況になり、味方が3,000人の損害を受ける間に、敵は1,000人の損害しか受けません。結果、敵は4,000人の兵力を残して勝ちます。
強者が圧倒的に有利になる状況です。

資金力のある企業にガチンコで挑んでも勝てない

ランチェスターの法則では、第1法則にしても第2法則にしても、シンプルに「兵力のある敵に挑んでも勝てない」ということを表現しています。
ビジネスで言えば、兵力は資金力などに当たりますが、そういうものを既に持っている強者にガチンコで挑んでも勝てない、と言えます。
兵力のない弱者の企業は、それなりの戦い方をしないと、当たり前に負けるということです。

弱者は接近戦に持ち込まなければならない

ランチェスターの法則を理解すると、弱者がどういう戦略を取るべきかが分かります。
第2法則で表現されているように遠隔戦では、兵力差が2乗で効き、強者に圧倒的に有利な状況です。
遠隔戦は圧倒的に弱者に不利なので、弱者はそういう戦い方をしてはいけません。1対1の対決になるような、接近戦で戦う必要があります。
ビジネスにおける遠隔戦の例としては、たとえばテレビTVを打つような戦略です。反対に接近戦は、ひたすら飛び込み営業していくような戦略です。
弱者は、資金力の差が活きないような戦い方をする必要があります。

弱者は一点集中で戦わなければならない

接近戦に持ち込んだところで、兵力の弱い弱者は負けます。損害が小さくなるだけです。
ランチェスターの法則によれば、兵力の大きい方が必ず勝つので、弱者は強者より兵力が大きくなる状況を作らなければなりません。
どうやって、強者より兵力が大きい状況を作るかというと、ある一点に兵力を集中して、そこだけを一点突破するようにします。
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ビジネスに応用する場合、たとえば店舗を地理的に一点に集中させる方法が考えられます。
全国チェーンのコーヒーショップに勝つには、たとえば鳥取県だけに集中出店するとか、もっというと鳥取市に集中出店します。
すると、鳥取市内では最大の兵力をもつことができます。鳥取市内で圧倒的に勝ったら、徐々に勢力を拡大していきます。

魔王でなくまずはスライムから倒す

要点だけ理解するとシンプルで、なるほどと思いながら読みました。
ゲームで言うと、いきなりラスボスの魔王に挑んでも勝てるわけがなく、最初はスライムと1対1の対決をしながら、徐々に魔王を倒す力をつけていく必要があるということです。

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