回路図の解説がストップしていました。
テキストの一冊が行方不明だったのです。
無事見つかったので、今回はエミッタフォロワについて。
配線が複雑なので、良く分かりません。
でも、取り出してみると、簡単な回路です。
今までのように電圧がどのくらい増幅されているかを計算してみます。
結論を言えば、これは電圧増幅されていません。
ベースエミッタ間電圧というパラメータがあります。
これは、だいたい0.6Vと思っておけばよいです。
この値で固定されています。
というか、この値にして動作させるのがアナログ回路です。
すると、出力電圧は入力電圧から直流的に0.6V低いだけ。
交流的には、電圧の差はなく増幅されていないということです。
前にも述べたように、ここで増幅されているのは電圧ではなく電流です。
だから、入力と出力の電流を考えます。
入力電流というのは、ベース電流そのものです。
出力電流は、エミッタ電流そのものです。
エミッタ電流は、ベース電流とコレクタ電流の和です。
だから、電流増幅率はキルヒホッフの法則のまま書けばこう書けます。
ただ、ベース電流はコレクタ電流の100分の1くらいの小さなものです。
だから、次のように近似できます。
βはエミッタ接地電流増幅率と呼ばれます。
「電流を入力したら、約β倍された電流を流す」というのがトランジスタの素直な動作です。
テキストに一番最初に出てくるトランジスタ回路は、大抵「エミッタ接地増幅回路」です。
でも、素直に考えると「エミッタフォロワ」の方がスタート地点としてふさわしいような気もします。
エミッタフォロワは、コレクタ接地増幅回路の別名でもあります。
これでやっとトランジスタ1つ目が終わりました。
まだあと3つ残っています。
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