実験第1回予習

テーマ「演算増幅器, DTL-NANDの特性測定」

実験
・オペアンプを用いて積分器を製作し、その特性を測定する。
・DTLによるNAND回路を製作し、その特性を測定する。

まもなく恐怖の電気電子工学実験が始まります。
じっくり予習して取り組むことにします。

オペアンプとDTLといえば、2年の秋学期の「アナログ・ディジタル回路」の授業でやった内容です。
必修科目でした。
だから、「みんな知ってるはず」という前提からか、実験書が2ページ。
これで9時間の実験をしろっていうんだから、ひどい話です。

アナログ・ディジタル回路の授業の復習をします。
アナログとディジタルを一度にやってしまった授業ですが、今回の実験もアナログとディジタルを一度にやるつもりらしい。
オペアンプがアナログ回路に対応し、DTLがディジタル回路に対応します。

教科書登場。

まずアナログ、つまりオペアンプから。
オペアンプは、差動増幅回路で計算機として利用できます。
アナログの計算機なので、「1V+1V=2V」みたいな計算機です。

演算回路としては、加算回路、減算回路、定数倍回路、積分回路、微分回路、対数増幅回路などが実現できます。

加算回路

電流の足し算によって、2端子からの入力電圧の和が出力電圧になります。
オペアンプとしての入力端子は片方しか使っていないことに注目。

減算回路

オペアンプとしての入力端子を一つずつ使うと差が出力になります。
だから、”差動”増幅器というのでした。

定数倍回路

オペアンプが、差動”増幅”器というからには増幅ができます。
電圧を増幅することは、アナログ計算機で定数倍するということです。

積分回路

ちょっと複雑になりますが、帰還素子にコンデンサを用いると積分回路になります。
ポイントは、コンデンサの電圧は、電流の積分であるということです。

微分回路

積分回路の素子を逆にしたら微分回路になるというのは、双対性から想像できます。
きっとコイルを使うこともできると思います。
ただ、コイルはコンデンサよりも特性の誤差が大きいので、計算機としては使えなくなってしまいます。

対数増幅回路

ログアンプともいうそうです。
帰還素子にバイポーラトランジスタを用いています。
トランジスタの電圧値は電流の対数になることによります。

今回の実験で扱うのは、このうちの積分回路なので、積分回路をピックアップして説明します。
注目するのは、先にも書いたようにコンデンサの電圧です。

コンデンサの電圧は電荷によって表されます(Q=CV)。
電流は電荷の時間微分なので、逆に言えば電荷は電流の時間積分です。
つまり、コンデンサの電圧は入力電流の積分です。
そして、電流は電圧に比例するわけなので(V=IR)、コンデンサの電圧は入力電圧の積分になります。
最後にコンデンサの電圧が出力電圧になることから、出力電圧は入力電圧の積分になります。

理想的なオペアンプの、入力インピーダンス無限大と仮想接地を考えれば、このような結論に至ります。
長くなったので、ページを分けてDTLの予習をします。

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