以前、CDプレーヤーを分解していて疑問に思ったことがありました。
なぜか100V側にコンデンサが入っていて、その存在意義が不明。
詳しいことは、「CDプレイヤーの分解(2)」を参照。
電源電圧を降圧したあとに整流するので、電源側の多少のノイズは気にならないと思います。
しかも、計算してみたら、そのコンデンサのために無駄な電力を食っているようにも見えました。
今日、「それはスナバ回路なのでは」というコメントを頂きました。
名前すらも聞いたことがありませんでしたが、コンデンサと抵抗を接続しただけの回路のようです。
要するに、電源トランスの逆起電力を打ち消す回路ということのよう。
実際にシミュレーションしてみました。
左がスナバ回路なし、右がスナバ回路ありです。
それ以外は同じ。
電源は、家庭用電源を想定して、振幅141Vとしました。
素子の値はテキトーです。
効果のはっきり見える値をさぐっていました。
そして、その効果。
サインカーブは電源の電圧で、その電源が途中でオフします。
突然、オフすると、コイルの逆起電力が生じます。
左のグラフの赤丸の通り、400V以上の高電圧が生じています。
こんなのが回路に入力されたら、素子が壊れかねません。
ここにコンデンサを追加した場合のシミュレーション結果が右です。
スパイクが弱まっていることが分かります。
理想的なスイッチは、ステップ状に変化をします。
その瞬間の電流の微分係数は非常に大きく、結果逆起電力も非常に高くなります。
この理想スイッチに、コンデンサと抵抗を並列させるのがスナバ回路です。
これによって、スイッチの変化が緩やかなステップになります。
コンデンサによるローパスフィルタを入れているようなものですから。
したがって、電流の微分係数も抑えられ、逆起電力も小さくて済みます。
なるほど!
ちなみに、こちらがスイッチをオフにしている時の電圧です。
「スナバ回路なし」では、ほとんど電圧は生じません。
スイッチがオフなので当然です。
逆に、右の「スナバ回路あり」の場合は、200mVくらいの電圧が伝わっています。
これはスイッチがオフでも、スナバ回路経由で電圧が伝わるからです。
ここは以前にもイメージできていたところ。
逆起電力というのは、言われるまで気づきませんでした。
モーターを制御するときなんかも、このあたりは気をつけなきゃいけないですね。
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