売上最小化、利益最大化の法則
この本を読みました。

利益が同じなら、売上は少ないほうがいい
北の達人コーポレーションでは、利益をKPIとしているそうです。
「バカの壁と不安の壁を超えて、成果を出せるKPIを設計する」で、KPIは1つに絞るべき、という話を書きました。
多くの会社では、売上と利益を同時に意識しているのではないでしょうか。北の達人コーポレーションでは、KPIを明確に利益だけに絞っていて、売上は気にしていないようです。
売上はプロセスにすぎないので、利益が多くなるなら、売上は少なくても良いという考え方です。むしろ、売上が大きくなると比例してリスクも大きくなるので、「売上は少ない方が良い」とすら考えています。
なぜ売上ではなく利益なのか
利益というのは、売上から費用を引いたもので、いわば会社が生み出した価値です。たしかに本質的な指標です。
ではなぜ、利益ではなく、売上を気にする会社が多いかというと、経営者は会社を大きく見せようとするからです。会社の大きさを表現する際に、売上(年商)や、従業員数がよく使われます。
しかし、売上や従業員数が、利益に比例するとは限りません。
この会社の強みは、売上や従業員数で会社を大きく見せたい欲求を捨てられていることかもしれません。それによって、利益という1つのKPIに絞って集中できていることです。
どうやって利益を最大化するか
ではどうやって利益を最大化するかというと、経営数字を細かくブレークダウンするというものです。そして、採算の合う部分だけを残して、採算の合わないことはやめます。
たとえば、「売上トップの顧客が、売上の半分を占めていて、しかし利益が0」という場合があると思います。売上的には最重要顧客なので工数もかかっていて利益が出ない、というような状況です。
こういう場合に、「売上を半分にして、この顧客との契約をやめる」という判断はなかなかできないと思います。しかし、「売上最小化、利益最大化」という指針があれば、この顧客との契約はやめるべきとなるでしょう。