LSI設計者のためのCMOSアナログ回路入門

CMOSアナログ回路の3段活用の計画を立てました。
その1段目がこの本です。

各章はたとえ話から始まっていて、スムーズに理解できます。
ただその分厳密な理解はできずかな・・・といった感じ。
この部分は、次の本にお任せします。

「LSI設計者のためのCMOSアナログ回路入門」

1章 アナログ集積回路の予備知識
 アナログはもう古いかといえば、むしろ逆です。
 ますますアナログ回路は必要になる。
 CMOS集積回路にアナログとデジタルを混載するようになったのもその一因。

2章 MOSFETの動作
 このあたりは半導体デバイスの本の方が詳しいので、復習程度に。
 ゲート電圧でドレイン電流をコントロールするという、等価回路が重要。

3章 MOS増幅回路の基礎
 ソース接地、ゲート接地、ドレイン接地回路について。
 カスコード回路によって増幅率を上げることができることも。

4章 増幅回路の周波数特性
 RC回路のローパス特性について。
 そして増幅回路のローパスフィルタ。
 カスコード回路の高周波特性について。

5章 アナログ回路のノイズ
 ノイズは回路素子自体が発生するものと、外部から伝わるものに分けられる。
 ノイズの伝搬は寄生容量、寄生インダクタンス、寄生抵抗による。
 これらを抑制するのに有効なのが、差動信号によって処理すること。

6章 差動増幅回路
 入力のレベル合わせを深刻に考えなくても回路接続ができる。
 ・・・というメリットも。

7章 バイアス回路と参照電源回路
 バイアス回路は、家を建てる時の基礎のようなもの。
 これが安定しないことにはアナログ回路は安定しない。
 温度が変動しても電流値が変動しにくい電流源の作り方。

8章 コンパレータ回路
 「応募資格、身長160cm」を満たしているかを確かめる方法には二つある。
 一つは、実際に身長をはかってみること。
 もう一つは、160cmの棒と比較してみること。
 後者のような機能をするのがコンパレータ回路。

9章 素子マッチングとレイアウト
 差動回路など、MOSFETにはペアで使う場面が多い。
 このペアの特性のずれが問題になってきます。
 できる限り特性を揃えるためのレイアウト上のポイントなど。
 一見無駄に見えるパターンが、このマッチングのためであったりする。

10章 フィードバック回路
 電子回路に帰還を取り入れるというアイデアがいかに画期的であったか。
 ひずみが小さくなること、帯域が広がることなど。
 しかし、帰還の仕方によって不安定にもなるので注意が必要。

11章 OPアンプ-基礎編-
 OPアンプは「何でも屋」的な回路。
 電流電圧変換、四則演算、微分積分、対数変換・・・。
 
12章 OPアンプ-応用編-
 低電源電圧で動作するOPアンプの設計。
 位相補償など。

13章 フィルタの伝達関数
 人間の脳は自分に都合の良い情報を選択して記憶するフィルタを持っているらしい。
 アナログ回路も信号をフィルタに通しながら処理する。
 伝達関数のイメージについてなども。

14章 連続時間フィルタ回路
 フィルタ回路のかぎは積分器。
 ・・・なんですか?

15章 スイッチトキャパシタ回路
 イメージは「ししおどし」。
 水をちょろちょろーと溜めて、カコーンと流すあれ。
 電荷を溜めて、クロックで電流を流すわけです。
 これが特性の揃った抵抗として使える。

16章 Δ-Σ変換器
 これは、A/Dコンバータの一種。
 Δと∑は、微分と積分の意味です。
 時間はかかるがノイズの少ない変換方式のようです。

17章 A-Dコンバータ
 Δ-Σ以外の方式について。
 パイプラインや、フラッシュなど。

18章 D-Aコンバータ
 D/A変換の方が簡単そうですね。
 ビット数の高い変換器を作るには、様々な物理量のばらつきが問題になる。
 概ね12ビットくらいが限界のようです。

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