最新景気観測入門

本のまとまりが悪いし、(自分にとっては)使い道のない話が多かったです。
マンキュー先生のマクロ経済学は面白かったのに。

でも、理論的な話と現実の経済の間の空間を埋めてくれた気がします。

「最新景気観測入門」

第1章 景気を知ることはなぜ重要か
 景気を示す指標が上向きか下向きかを多数決したものが、DI(ディフュージョンインデックス)。
 景気の判断は変化の方向と、経済の水準の二つの見方がある。
 景気が上昇していますと言っても、上昇のはじめの頃は水準としては不況。

第2章 景気変動をどうつかむか
 天気も景気も予測する人がいますが、大きな違いがあります。
 天気は、今の状態が分かる。
 景気は、今の状態すら分からない。
 株価なんかはリアルタイムで見えますが、GDPなどは統計が出るまでに随分時間がかかります。
 三面等価の原則「支出、生産、所得は経済全体で合計すると必ず一致する」

第3章 景気をどう予測するか
 一般的な方法は、段階的接近法(SA法)。
 仮説値からスタート、これを代入して予測値を出す。
 出た予測値を代入して次の予測値を出す。
 これを繰り返すと、ある値に収束する。
 
第4章 GDPとその需要項目の観測
 内需として影響が大きいのは、個人消費と設備投資。
 個人消費は、変動は小さいものの、全体として大きい。
 設備投資は、全体として小さいものの、変動が大きい。
 だから、両方ともGDPへの影響力がつよい。

第5章 企業活動、雇用、物価の観測
 雇用調整は3段階で進行する。
 労働時間を減らすことによる調整。
 パート労働の削減による調整。
 ここで、有効求人倍率が減少。
 正社員の削減による調整。
 ここまできて失業率が上昇。

第6章 金融の観測
 イールドカーブは縦軸に金利、横軸に期間をとったもの。
 急激に上昇している場合、つまり長期金利が高い場合。
 これは、将来は景気が良くなるという期待の表れです。
 逆に上昇が緩やかなのは、景気が下降するという予測ができる。

第7章 国際的側面の観測
 輸出金額は、当たり前だけど輸出数量と輸出価格による。
 輸出数量は、海外の景気や輸出するものの相対価格による。
 輸出価格は、為替レートや日本の物価による。

第8章 景気変動と政府
 政府は円レートや石油価格の予測をしない。
 政府の予測は経済に影響を与えるため。
 政府が「景気が後退します」といえば、国民は消極的になり実際に景気が後退します。

第9章 近年の景気をどう読むか
 「最新」景気観測ですが、4年前の本なのであまり役に立たなかったです。
 デフレが大きな要素として書かれていますが、むしろインフレ・・・。

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