理工学部生の自分がマクロとミクロという言葉を知ったのは、熱力学の勉強をしていたときでした。
マクロに見たら、ボイルシャルルの法則。
ミクロに見たら、気体の分子運動論。
今度は経済学をマクロに見てみようと思います。
そもそも経済なんてものをどう研究するのかが、理系の自分には理解できない。
その答えは、読み始めてすぐに見つかりました。
経済学では、経済を様々な仮定でもって単純化したモデルでもって、様々な予想を立てます。
坂を転がるボールの運動を考えるときに、摩擦を無視したり、多少の起伏を無視するように。
でもたぶん、物理学よりずっと単純化して、物事を考えます。
この本の著者の方針なのかもしれませんが、経済を期間によって3つに分類しています。
短期、長期、超長期です。
この本で書かれているのは、短期と長期についてで、超長期については第2巻に譲っています。
最も簡単な経済学モデルとして有名なのが、需要・供給モデルです。
需要と供給が均衡する価格が市場価格というやつです。
ここで、常に市場価格は均衡価格にあるとしています。
需要が増えれば、瞬時に価格は上昇します。
でも、実際には商品の価格はある程度の期間は、同じ値を保ちます。
まず、この同じ値を保つ程度に短期の場合を考えるモデルがあります。
同時に長い目で見れば、価格は確かに市場価格に向けて変動し続けます。
これが長期のモデルです。
更に、超長期のモデルでは、経済成長が云々らしいですが、それはまたこれから勉強します。
キーワードを列挙。
GDPは国内総生産。
経済の全構成員の総所得であり、同時に経済で生産された財・サービスに対する支出総額。
物価水準には、GDPデフレーター、消費者物価指数などがある。
消費者物価指数は、平均的な家計が購入する財のバスケットの価格の変化。
国民所得は、消費、投資、政府購入、純輸出の合計。
純輸出を零としたモデルは、閉鎖経済と呼ばれる。
マクロ経済学では、政策が経済に及ぼす影響を考える。
財政政策は政府購入と租税の操作で、金融政策はマネーサプライの操作。
失業には、摩擦的失業と待機失業がある。
皮肉にも、最低賃金法は失業率を上げる。
純輸出を考慮した経済は、開放経済と呼ばれる。
保護貿易は、貿易赤字を全く解消しない。
為替レートは、変動レート制と、固定レート制がある。
経済に及ぼす効果は真逆で、一長一短である。
総需要-総供給モデルは、短期の経済のモデル。
総需要曲線は、閉鎖経済ではIS-LMモデルから、開放経済ではマンデル・フレミング・モデルから導ける。
IS-LMモデルは、投資(investment)、貯蓄(saving)、流動性(liquidity)、貨幣(money)の略。
IS曲線はケインジアンの交差図から、LM曲線は流動性選好理論から導ける。
マンデル・フレミング・モデルは、IS-LMモデルを開放経済に適用したもの。
為替レートの制度によって、全く違う結果が導かれる。
・・・といった具合でした。
更に経済学に踏み込む余裕があれば、まず同じ著者のミクロ経済学のテキストを読みたいです。
そして、今回読んだマクロ経済学の第2巻を。
更に、ナッシュ均衡で興味を持ったゲーム理論につっこむか、理系の底力を見せて計量経済学につっこむか・・・。
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