回路を電源だけで表現しようという話でした。
回りくどいといえば回りくどいです。
が、同じような表現は教科書にも良く載っています。
それはトランジスタの小信号等価回路です。
これはバイポーラトランジスタです。
左下と右下の端子Eがエミッタです。
左上の端子Bがベース、右上の端子Cがコレクタです。
このベース端子に電流i1を流します。
すると、コレクタ端子からは電流i2が流れます。
その関係は、i2=β・i1です。
ベースに流れる電流をβ倍したものがコレクタに流れる。
そういう意味で、βには「電流増幅率」という名前がついています。
これを電流計と電流源の回路に書き換えます。
電流計でベースに流れる電流を検出して、それをβ倍します。
計算結果を右側の電流源に設定すれば・・・、トランジスタの動作が記述できます。
普通、電流計の部分は表記しないで、ただの線で済ませます。
でも、ここでは、あえて電流計の部分も図示することにします。
同様に、MOSFETの小信号等価回路も電源で表現できます。
左下と右下の端子Sがソースです。
左上の端子Gがゲート、右上の端子Dがドレインです。
バイポーラトランジスタでは、ベースに電流を流しました。
MOSFETでは、ゲートに電圧vgsを加えます。
すると、ドレイン端子から電流iDが流れます。
その関係は、iD=gm・vgsです。
このgmは「トランスコンダクタンス」と呼ばれます。
これを電圧計と電流源の回路に書き換えます。
電圧計でゲート電圧を検出して、それをgm倍します。
計算結果を右の電流計に設定すれば・・・、MOSFETの動作が記述できたことになります。
ここまでは内部抵抗のない理想的な電源を考えていました。
電源の内部抵抗を考慮すると?
それは、トランジスタやMOSFETの入力抵抗、出力抵抗を考えることに等しいです。
続く。
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