Webの解析ツールの導入は、大抵とても簡単です。だいたいは、アカウントを作成するとHTMLタグが生成されて、それを埋め込んだら終わりです。
一方でネイティブアプリの解析ツールは、SDKを導入するだけでは取得できる情報が少なく、プログラマが画面ごとにトラッキングコードを埋め込んだりしなければなりません。アプリのアップデートごとに画面は変化しますので、そのたびにトラッキングコードを書き換える必要もあり、大変です。
ただし、Heapを除いて、です。
Heapとは?
Heapは、主にアプリの解析のためのツールです。
Heap | Mobile and Web Analytics
「No code required」と書かれているように、プログラムの埋め込みなしで、計測ができるというのがウリです。
登録してみる
どのくらい簡単に計測できるか、実際に試してみます。登録は、メールアドレス、企業名、パスワードでできます。
クレジットカードの登録は必要ありません。
SDKの導入は、CocoaPodsとコード1行
登録が完了すると、SDKの導入画面へ移動します。
とりあえず、JavaScriptのコードが出てます。これはWeb用です。
Webの解析も使ってみましたが、それより凄いのは、ネイティブアプリの解析です。
iOSはCocosPodsから簡単に導入ができます。まずは、Podfileに、Heapを加えます。
platform :ios, '7.0'
# ...(略)...
pod "Heap"
そして、podコマンドでインストールするだけ。
pod install
CocoaPodsの導入が簡単なのはCocoaPodsがすごいんですが、Heapの簡単さはここからです。
Heapのコードの埋め込みは、これだけ。
- (BOOL)application:(UIApplication *)application didFinishLaunchingWithOptions:(NSDictionary *)launchOptions {
[Heap setAppId:@"2746421412"];
// ...(略)...
return YES;
}
これだけ。衝撃です。
イベントは推定される
じゃあ、ユーザーの行動をどうやって解析をするのか、という話になります。
Heapは、ネイティブアプリのビューのクラス名などを自動で取得して、計測しています。ボタンを押したなどの行動も計測しています。
SDKはスタティックライブラリとして提供されているので、具体的にどうやっているかは不明ですが、ビュー構造を辿ったり、イベントをフックしたりして、勝手に計測してくれるということです。
だから、一度入れておけば、あとは何もしなくても、色々なことを計測してくれます。まさに、「No code required」です。
もちろん独自のイベントを設定して埋め込むこともできます。特に、Webの場合は、ビジュアルにイベント設定が可能で、これまた簡単です。
ポチポチとしていくだけで、こまかく計測ができるので、JavaScriptや、SDKの導入だけエンジニアにやってもらえば、あとは誰でも細かく計測ができます。
基本的な分析機能は揃っている
分析については、Mixpanelのようになんでもできる、というほどでもないんですが、基本的な機能は揃っています。
WEBアクセス解析ツールMixpanelが簡単なのに凄い。
たとえば、イベントのは発生のグラフ表示。
これは、ユーザー情報をもとにフィルタリングして結果を表示できるのが強いです。なにせたくさんのデータを自動で計測しているので、あとから非常に高い自由度でデータを取り出すことができます。
ユーザーごとの行動の追跡もしっかり表示されます。
このあたりは、Trak.ioなどが強いですが、Heapも基本的なところは抑えています。
顧客管理を兼ね備えたアクセス解析ツールTrak.io
価格は訪問数に応じたプラン制
価格は訪問数に応じたプラン制になっています。無料トライアルは14日間です。
プラン名 | 訪問数 | 価格 |
Basic | 5,000 | 無料 |
Startup | 25,000 | $59/月 |
Growth | 75,000 | $149/月 |
Enterprise | 無制限 | $499/月から |
無料のプランもありますが、月間5,000訪問というのは少ないので、すぐに支払いが必要になってしまいそうです。ただStartupプランの場合は、Heapへのリンクバナーを掲示することで、無料でも利用できるようです。
まとめ
ネイティブアプリは、URLのようなコンテンツを特定する汎用的なIDがありませんし、HTMLのような汎用の構造情報もないので、解析ツールの導入はかなり手間でした。Heapは、SDKが自動でビュー構造やイベントを見てくれるので、その手間が限りなくゼロになります。
同様に少ないプログラミング作業で導入できるツールに、アプリのA/BテストツールのApptimizeがあります。これも、SDKさえ入れてしまえば、Webの管理画面からほぼ全てが操作できるというツールです。
Webからビジュアルに操作可能なアプリ向けA/BテストツールApptimize
単に導入するだけでは済まない、解析とA/Bテストの分野では、こういう簡単に使えるツールがこれから活躍しそうです!
コメント
[…] Heapを使うとコードなしでネイティブアプリの行動計測ができてすごい。 […]
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