円周率と乱数(2)

円周率を乱数として利用できないか?

0から9までの整数の一様乱数を作りたいとします。
この時、円周率の数列を、乱数列として利用できないかなという話です。

そもそも、円周率はまだ計算されていないのだから、次に求める数値というのは未知です。
ある意味究極の乱数なんじゃないですか?

数学については良く知らないので、ガンガンWikipediaしていきます。
実は調べていたら、円周率のランダム性について、Wikipediaで既に言及されていて少しガッカリしたけど。

まず、「有理数⇔循環小数」です。
これは、「循環小数」のページに書かれています。
有理数は循環小数に表示でき、逆に、循環小数に表示できる実数は有理数に限る。

そもそも、循環小数では乱数にならないです。
で、円周率は無理数で、無理数だから循環小数じゃないです。
これで循環しない数字が出てくるということは分かりました。

ここで、「乱数列」ページから、一様乱数の定義を見てみます。
一様乱数とはある有限の区間を区切って、その区間内で全ての実数が同じ確率(濃度)で現れるような乱数のことである。

つまり、0から9までの数字が等確率で出ないとダメです。

「正規数」のページを見ます。
数学における正規数(せいきすう、normal number)とは、無限小数表示において数字が一様に分布しており、数字の列が現れる頻度に偏りがないという性質を持つ実数である。

結局、乱数として利用できるかどうかは、円周率が正規数であるかどうかにかかっているというところです。
これについては、「円周率」のページに言及されていました。
πの各桁に現れる数の並び方はランダムであることが期待されてはいるが、実際は、πが正規数であるかどうかは分かっていない。

まだ正規数であるという証明はなされていませんでした。
そこで、金田研で求められた「1兆2000億桁目までの、0から9の数値の出現頻度」を見てみます。

0: 119999636735回
1: 120000035569回
2: 120000620567回
3: 119999716885回
4: 120000114112回
5: 119999710206回
6: 119999941333回
7: 119999740505回
8: 120000830484回
9: 119999653604回

極めて等確率!
理論的には証明されていないけど、実験的には正しそうです。

χ二乗値も計算されていて、「13.13」と極めて小さい値。
ちゃんと計算してないけど、1兆以上のサンプル数でこの値だと、ほぼ100%の確率で等確率と言って良いはずです。

最後に、「円周率」のページで言及されているランダム性について。
この数列が乱数列になっているかどうかは分かっていない。それどころか 0,…,9 のどれもが無限に現れるのかどうかすら分かっていない。
現在 π は 1兆桁を超える桁数まで計算され 0,…,9 がランダムに現れているようには見えるが、この状態がこの先の桁でも続くかどうかは分からないのである。

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