歩行ロボットについては、テレビなんかでも良く取り上げられます。
見た目が良いからだと思います。
見た目の良さというか、人間から見た親近感というのも、ロボットにとって重要な要素でしょう。
でも、実用上は、悪路でも移動できるというのが重要。
平坦な道だったら、車輪で移動するのが効率的です。
だから、人工の乗り物はたいてい車輪で移動してます。
逆に、車輪のついてる生物はいません。
これは、自然界が平坦な道ばかりではないからです。
そういうわけで、過酷な環境、たとえば災害の現場なんかで活躍するはずです。
歩行ロボットというのは、移動ロボットよりバランスをとるのが難しい。
車はよほどのことがない限り、車輪が地面から浮くことはありません。
逆に歩行ロボットは、進むために足を地面から浮かせなければなりません。
高校生の物理の話になります。
緩やかな坂に箱型の剛体が置かれた系を考えます。
この箱が倒れるかどうかを判断するにはどうしたら良いか?
これは、重心から重力を図示してみたら分かります。
これが、足元を貫いていれば倒れません。
坂が急だったら・・・?
重力の線が足元をはずしてしまっています。
この場合は、倒れます。
これを「静的バランスチェック」と言います。
歩行ロボットでも、重心が足元を貫いていれば立っていられます。
もしロボットが動いたらどうなるか?
これを「動的バランスチェック」と言います。
動くということは加速するということです。
加速するということは、慣性力が生じるということです。
今度は、重力だけでなく慣性力も考慮して、矢印がどこに行き着くかを考えます。
この点を「ゼロモーメントポイント」と言います。
かっこよく略して、「ZMP」です。
この図だと慣性力に負けて倒れてしまいます。
この箱は剛体で全体が同じ加速度を持つので、まだ計算が簡単です。
歩行ロボットでは、左右の脚や、腕や、そのリンクの部分やらで加速度はそれぞれ異なります。
全てに対して、慣性を計算してゼロモーメントポイントを導出する必要があるということですね。
ロボットを歩かせるというのは、少し考えただけでも大変そうです。
コメント