いつも不思議に思うことがあります。
勉強は始めてみると面白いんです。
でも、なかなか始められないから、つまらないんです。
試験期間は、半強制的に勉強させられるわけです。
でも、これが全く苦痛ではなくて、むしろどんどん楽しくなってくるんです。
だから、本当は大学の試験の勉強をしなきゃいけないのに、全く関係ない勉強をしたくなったりします。
春学期の試験期間中は、相対論の勉強がしたくて、でも我慢していました。
ただ、1冊だけ簡単な本を買って読みました。
E=mc2 世界一有名な方程式の「伝記」という本です。
この中で特に面白かったエピソードが光速度の話でした。
光速度は今でこそ、1秒間で地球を7周半する速さだと知られています。
光は途方もない速さで進みますが、それは人間から見たらの話です。
太陽から出た光は地球に届くまで約8秒かかります。
宇宙のスケールで見たら、ゆっくりにも思えます。
17世紀の話。
光は無限の速度で進むと信じられていました。
人間から見たら、確かに無限の速度で進んでいるようなものです。
二人の登場人物を紹介します。
パリの天文台の台長であり、木星の権威である、ジャン・ドミニク・カッシーニ。
カッシーニの部下がデンマークから連れてきた、青二才ともいえる科学者、オーレ・レーマー。
木星の衛星イオの公転周期は42時間半です。
しかし、これにはなぜか毎回微妙なズレがあり、この原因が問題となっていました。
レーマーは光速度が無限でないと仮定しました。
地球と木星は太陽のまわりを公転していて、地球と木星は近づいたり離れたりしています。
地球と木星が近くにいるときは、イオの光は少し早く地球に届きます。
これがイオの公転周期のズレを生じているとしました。
一方、光速度が無限であると信じていたカッシーニはイオの描く軌道に問題があると考えました。
そして、カッシーニは次にイオが木星の影から出てくる時間を、「17時27分」と予測しました。
レーマーも予測を出し、「17時37分」としました。
イオが木星の影から現れたのは、「17時37分49秒」でした。
レーマーの完全勝利です。
光速度が無限でないというレーマーの説は正しいと認められるかと思いきや、そうはいきませんでした。
木星の権威であったカッシーニは情報操作をしたのです。
結局、レーマーが正しかったと認められたのは、50年後、カッシーニが他界した後でした。
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